小学生の頃に「ブルグミュラー25の練習曲」を習う方は多いと思います。
先日のレッスンでは、小学生4年生の女の子が
練習曲の9番目「狩り(狩猟)」を練習してきました。
しかしレッスンが始まると、なぜか浮かない表情。
いつも目をキラキラしてお話してくれるお子様なのに…
「さぁ!狩りが始まるよ」と鼓舞してみましたところ、
私をジトーっと見つめてきます。
一瞬の沈黙が長い時間に感じられつつ、
ついに言葉が発せられました。
「かわいそう。狩で捕まる動物がかわいそう。」
そ、そうだったのか!!
確かにその通りだ…
私は小学生の頃、内弁慶だったので、
(↑あくまで主観ですが…)
先生に向かって敢えて主張することはなかったような記憶があります。
でも今回、目が覚めました。
その生徒さんは、違う角度からの視点を発信してくださいました。
「かわいそう…そうだよね」とお伝えするとホッとしたような表情に代わり、
堰を切ったように言葉が溢れ出しました。
「ここの暗い音楽はね、傷ついた動物を治療しているところなの!」
え、そうなの?
すっかり物語に魅了されていきます。
「最後は無事に遠くへ逃げていくんだよ!」
「…良かった!!」
2人で手をとりあって、安堵の喜びを分かち合えた気持ちになりました。
ブルグミュラー最盛期の19世紀、貴族たちの遊びとして狩りが行われていたそうですが、
追われたキツネ達はたまったもんじゃありませんね。
動物愛護も現代では意識が高まっています。
私の実家にはワンちゃん(ミニチュアシュナウザー)がいますが、
それはそれは大切な家族の一員です。
現代のお子様向けに、色々な解釈を話し合っても良いなぁと感じました。
次回からのレッスンでは、まだまだ細かい部分を突き詰めて、
華麗なる逃走ストーリーを一緒に作り上げたいと思っています☆